カタン:アメリカの開拓者たち~幌馬車から鉄路へ~


『カタン:アメリカの開拓者たち』は『カタンの開拓者達』のバリエーションシリーズの一つだ。同シリーズでは無人島であるカタンアイランドを開拓していくゲームであるが今回は19世紀のアメリカが舞台だ。西部開拓時代のアメリカ。東海岸から西側の土地へ幌場所と鉄道を使って開拓していくのだ。ルールは通常のカタンとは大きく異なる。

・まず初期配置の都市は固定されている。東海岸に固定された開拓地から西海岸の土地を開拓を目指していく。

・幌馬車で土地を目指し到達すると開拓地が建設出来る。開拓地を作るには資源は必要ないが幌馬車を動かすには麦が一枚必要である。その後、開拓地から開拓地へ線路を開通させ列車が都市を通過すると勝ち点が手に入る。

・カタンのシステムを用いているがややパーティーゲーム的な趣がある。

開拓地を最終的に1012個設置するので資源が大量に発生する。通常カタンのように資源不足や資源の偏りに悩むことが少ないが建設しなければならないものが多いため消費も激しい。金貨という概念もあり、金貨を消費することで好きな資源と交換することができる。そのため資源の偏りに悩むことも少なくなっているのが特徴だ。その代わりに資金不足に悩まされることにもなりやすい。資源に苦しまなくていいので、パーティーゲームに近いような印象がややあった。ゲームの目的は開拓地を規定数建設し、規定数のキューブを列車で運搬することだ。開拓地は幌馬車が通過するごとに建設され、線路を敷設後に列車を動かすことでキューブを運搬することができる。

通常のカタンのようにダイスの目の7が出たときに盗賊は動く。盗賊の効果は従来どおりで他プレイヤーから一枚資源を奪い、他プレイヤーに有利な土地から資源を産出することを防ぐことができる。もちろん従来どおり8枚以上で手札の資源カードを半分捨てなければならない効果もあるが本作は手番外に建設ができるためバーストはなかなか起こりにくい。

金属

金属

麦

石炭

石炭

牛

木材

木材

金貨

金貨

幌馬車

幌馬車

開拓地

開拓地

列車

列車

線路

線路

 

資源の使用方法

  • 幌馬車を作る (牛)(麦)(木)
  • 幌馬車を動かす (麦)
  • 列車を作る (鉄)(木)(石)
  • 列車を動かす (石)
  • 線路を作る (鉄)(木)
  • 発展カードを引く(牛)(石)
  • 幌馬車を動かし開拓地を作る(麦)
  • 列車を動かし物資を運ぶ(石炭)

開拓地を作るのに資源が必要無いことに些か戸惑いがあるかもしれない。

開拓地を建設後、開拓地に荷馬車を建設し、新たな開拓地まで移動させることで開拓地を建設することができる。もちろん他プレイヤーが既に開拓した土地に建設物を作ることはできない。資源を確保するためにも、ゲーム序盤は荷馬車の建設と移動が出来る麦を得ることが重要だ。必然的に麦の価値は高くなる。全員がめぼしい開拓地が無くなる終盤には麦の価値は無くなる。通常のカタンのレンガと同じような位置にある。金貨は新しい開拓地を線路で繋ぐことで線路の長さに比例した金貨を得ることができる。ダイスを振って資源が一つも得れなかった人に金貨一枚が支給されるが、基本的には線路建設で適度に行い金貨を得る必要がある。ゲームの勝利条件となるキューブの運搬には列車を動かす必要がある。列車を動かすのに必要な資源は石炭だ。石炭はゲーム中盤から後半にかけて価値が高まってく。通常カタンの金属の立ち位置に近いのかもしれない。

とにかくコンポーネントの数が多いためゲームに慣れるのに些か戸惑ってしまった。アメリカ大陸は広大であるためダイスを振るごとに資源の産出を確認するのに少し時間がかかってしまった。通常カタンは地形タイルは19枚、アメリカの開拓者たちの地形タイルはなんと80枚近くあるからだ!

ただターン外に建設が可能であるためそこまで時間が取られてしまう印象はなかった。通常カタンよりも資源が多く産出するため起こせるアクションが多いのが醍醐味だ。線路の設置や開拓地の建設など陣取りの要素を考えつつ資源を消費していく。相手の動きを見ながら臨機応変に立ち回る必要があるのだ。

このゲームはカタンのシステムを利用しているがターン外に資源を消費出来るため盗賊やバーストも通常版ほどストレスを感じることはない。終盤の緊張感も通常版と比べてしまうと低くストイックさを感じることはなかった。どちらかというとパーティーゲームの趣があるカタンのバリエーションの一つではないだろうか。もちろんカタンの開拓者のような絶妙なゲームバランスは健在している。序盤に麦を多く確保するとゲームを有利に展開できるが、麦の価値が落ちる後半は他の資源獲得に苦労し、序盤に線路を引き近場の開拓地にキューブを運搬しておけば、他のプレイヤーは遠くの開拓地に資源を運ぶ必要が出てくるため苦労するのが目に見える。開拓地を立てる場所を選定するセンスがプレイヤーに求められるのはカタンらしいと言えるだろう。このようにさまざまなトレードオフが存在し、ひとつの手段だけでは決して勝利できない。絶妙なゲームバランスをつくりあげているのが本作である。一回のプレイ時間は二時間程度である。

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