ライナー ・クニツィアのダイスゲーム百科


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ライナー・クニツィア(Reiner Knizia)は数学の博士号を持つボードゲームデザイナーです。『ラー』『モダンアート』『ポイズン』『指輪物語』『サムライ』の開発で知られています。彼のことを詳しく知りたい方はインタビューを読んでみてください。

http://www.kotaku.jp/2013/04/reiner_knizia_interview_1.html

 

インタビューによると彼が育った小さい街にはゲーム屋さんは一つしかなかったそうです。そもそも子供ですからお金もそんなにありませんでした。でも、ゲームを遊びたい欲求は捨てきれず6歳の頃からゲームを自作し始めたそうです。サイコロに紙やマッチ棒、子供でも手に入る道具で作っていたそうです。彼は1957年生まれなので、1963年頃からゲームを作り始めたということです。もう少し時代が経つと両親からマイコンを買ってもらったが、ゲームが付属しておらずゲームやりたさにプログラミングを学習した、なんて話が湧くように出てきます。プログラミング言語の一つであるPHPの生みの親,ラスマス・ラードフ氏インタビューもむちゃくちゃ面白いです。彼は以下のようなことを言っています。

ラスマス:今どきのゲームの中には,エンジニア数百人がかりで3Dエンジンやらレンダリングやらを駆使して作ったものもあります。子どもにとって,プロが作るようなゲームはとうてい自分には作れないと思い知ることほど意欲を損なうものはありません。「これなら自分にもできるよ」と言えれば,おおいにやる気が出るのです。

http://gihyo.jp/news/report/2015/12/1401?page=2

産業が肥大化してくると自分自身で作れる範囲のレベルではなくなってきます。古今東西に存在するあらゆる文化は『自分でも出来そうだ』と思わさせることで発展してきたのではないでしょうか。映画、漫画、ロック・・・黎明期の作品と現代の作品を比べると作業量や洗練度が月とスッポンぐらい差があります。たった一人で作画原作をこなし画力も求められなかった時代から美大を卒業しアシスタントを何人もつけてコンピュータを駆使して作り上げる時代・・・どちらが自分でも出来そうと思いやすいかは比べるまでもありませんね。

ライナー・クニツィアのダイスゲーム百科に登場するゲームはサイコロと筆記用具に一枚の紙があればどこでもできるようなゲームが紹介されています。ハングマンのような歴史的に古くから遊び続けられてきたダイスゲームも多いですが、1990年に発表されたSix Hundreadという最近のゲームもあります。もちろんこれもノートの切れ端とサイコロがあれば遊べるゲームです。他に必要な物があるとすれば線を引くための定規くらいでしょう。

クニツィアが少年時代に紙やペンで作り続けてきたように、ゲーム作りを学びたいと思ったら誰でも作れる(ような)ゲームを知ることが必要なのかもしれない。イラストを描く必要もなければ印刷するコストもかからない。デジタルゲームならばプログラミングもする必要に迫られますが紙で作るだけなら言うまでもなく不要です。つまり少ない時間で作ったゲームを捨てられる、ということです。どんどん作り、どんどん失敗が出来る、その中には面白いゲームも出来るのではないでしょうか。

本著はダイスゲームに興味がある人は必見。クニツィアのゲームの面白さの根幹を探り、自分のゲーム制作に活かしたい人向けでもある、と読みながら思いました。ぜひ!読んでみてください!

 

ライナー ・クニツィアのゲーム

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